・旦那の帰りが遅いんだけど、一人一言語でうまくいくかな?
・バイリンガル教育をすると発語が遅い?語彙数(ごいすう)も少ない?
と思っている方に向けて本記事を書いています。
筆者(たーみょん)は執筆時現在2歳と5歳の娘を持つ父親です。
子供たちを賢くするために日々勉強に励みながら、子育てに奮闘しております。
バイリンガル教育に関してネット検索をしてみると、
- 一人一言語にすべき
- 日本語(母語)が喋れるようになってから英語(第2言語)を学ぶべき
- バイリンガル教育をすると言語能力が劣る
などと記載されている記事が散見されます。
それらは主に、誰かの経験(偏見の混ざった意見)だったり、根拠が明示されていなかったりで、本当に信じて良いのか不明です。
ということで、信頼できそうな論文を探し出し、まとめましたので、ご覧ください。
ここでのバイリンガル教育は、母語を日本語、第2言語を英語とすることを目標にする教育を想定しております。ですが、日本語と英語の組み合わせ以外でも、当てはまる内容になっておりますので、適宜表記返還をして読み進めてください。
バイリンガル教育に関する論文紹介【失敗しない方法】
本記事では、下記論文からバイリンガル教育の科学的に有効な方法を紹介いたします。
バイリンガル教育の方法はとてもシンプルで「赤ちゃんのときから2か国語でたくさん話しかける」だけで良いんです。
それでは、子供に2か国語で話しかける上での注意点や詳細の説明をしていきます。
同時バイリンガルを目指そう
バイリンガルには下記2種類あります。
- 順次バイリンガル
- 同時バイリンガル
順次バイリンガルは母語を習得してから第2言語を習得したバイリンガルのことです。
同時バイリンガルは2か国語を同時に習得したバイリンガルのことです。
同時バイリンガルは順次バイリンガルよりも、アクセント、語彙数(ごいすう)、文法能力、リアルタイム言語処理の全てが優れています。
ということで、子供をバイリンガルにしようと思うのであれば、同時バイリンガルを目指すべきということですね。
ただ、同時バイリンガルを実現しようと思うと、子供が産まれてすぐに教育を開始する必要があります。
教育と言っても、することは上記の通り、子供にたくさん話しかけるだけなんですが、詳細は記事にしておりますので、あわせてご覧ください。
関連記事:言葉が遅い子にも効果あり!早く喋る方法【2歳前に文章で会話】
もし、既に子供が大きいからバイリンガルは無理かも…、って思っている方がいたら、ちょっと待ってください。未だあきらめないで。
下記記事にも書いていますが、言語を習得するには臨界期が存在します。
同時バイリンガルになれずとも、臨界期前であれば言語習得はスムーズです。ですが、臨界期を超えたからと言ってバイリンガルになるのは無理かと言われるとそうではないですよね。
筆者の周りには中学校から英語を習っていても、英語で外国の方としゃべれる人は多いです。
たしかに臨界期を超えて、遅くなればなるほど言語習得に困難を極めます。でも、不可能ではない。
だから、もし、まだバイリンガル教育を始めていないのであれば、今すぐに始めるべきです。
一人一言語にこだわらない
上記論文によると、
一人一言語は100年以上前から推奨されていて、一人一言語で2つの言語の習得に成功した
というデータがあります。
でも、成功しなかったというデータもある、とも記載されています。
そして、一人のバイリンガルの親から両方の言語を聞いた子供が2つの言語を習得したというデータもあるとのことです。
「言葉が遅い子の特徴」の記事にも書いているのですが、言葉を早く喋るためには出来るだけたくさんの言葉を子供に聞かせてあげる必要があります。
これは日本語だけでなく、全ての言語において共通して言えることです。
もし、一人一言語にこだわっていると、どちらかの言語に偏りが生じる可能性があります。
偏った分、接触の少ない言語の発達が遅れてしまいます。
バイリンガル教育の失敗の原因の多くは一方の言語の接触が少なくなったことによるものです。
ということで、一人一言語にこだわらず、バランスよく2つの言語を使用することがおすすめです。
2か国語のごちゃ混ぜは良くない?
一人一言語にこだわらないとして、2か国語のごちゃ混ぜはどうなんでしょうか?
例えば、「Youの今日のlunchはなに?」といった感じのしゃべり方です。
バイリンガルの親とルー大柴さん(日本のコメディアン)は2か国語(日本語と英語)を混ぜてしゃべることが多いらしいのですが、このようなことをすると、子供に影響があるのかは未だ明確にはなっていないとのこと。
ある研究では、
1歳半と2歳の子供を対象とした研究では、親が言語を大量に混ぜて子供と生活していたところ、語彙数(ごいすう)が少なかった
という結果が出ています。
ですが、別の研究では、
言語を混ぜることによる言語開発への影響はない
と結論付けられています。
さらに別の研究では、
1歳8か月のバイリンガルの子供は2つの異なる言語が混ざっていても会話の文章が理解でき、バイリンガルの大人と同様の処理をしている
とのこと。
また、例えば筆者の場合は、英単語の混ざった日本語で話されても、全然頭の中に入ってこないので、子供には2か国語のごちゃ混ぜ文で言葉を話して欲しくないと思っています。
自分の子供なら、慣れているから大丈夫かもしれませんが、他人の子供とごちゃ混ぜ文で話をするのはちょっと話の内容を理解できないかもしれません。大人同士ならまだしも、子供同士だとなおさら話がかみ合わなくなります。
ということで、話の通じないしゃべり方にならないためにも、少なくとも文単位では1か国語に集約すべきかなと思っております。
複数の研究で異なる結果が出ているということは、やり方にコツが必要ということですから。
出来るだけ確実な方法でバイリンガル教育をするためにも、文単位で1か国語となるようにしましょう。
英語の押し付けは絶対にダメ
子供の教育全てにおいて言えることですが、押し付けは意味がないです。
将来苦労しないようにと必死になって子供に教育を頑張るのは良いことですが、それを押し付けてしまうと子供は反発して吸収力がなくなります。
とは言え、バイリンガル教育の方法としては、産まれたときから2か国語で話しかけることなので、あまり押し付け感がないかもしれませんね。
しいて言うならば、子供が少し大きくなってきて、難しい言葉や読み書きを教えるときに言えることです。
もし、教育を押し付けるようなことをしていると、子供に勉強をしようと言った瞬間に拒否反応を示すようになり、例え真剣に取り組んでいる様であっても、全く頭に残りません。
結果、子供の知能の発達が遅れる様になります。
本当に将来のことを考えるのであれば、勉強に興味を持たせることに全力を注ぐと良いです。
子供が一人で、テレビやCD等の音声の聞き流しをするのではなく、子供と親が一緒になって英語を楽しむと吸収力がより高まります。
デメリットの俗説を一蹴
バイリンガル教育をすることによるデメリットは基本的にないです。
しいて言うならば、お金がかかるということと、中途半端でやめてしまうともったいない(能力的にも金銭的にも)ということです。
お金に関してはやり方次第で減らせますし、全ての教育に共通したデメリットですから、バイリンガル教育のデメリットとは言えないですね。
ただ、バイリンガル教育をすることで下記デメリットがある、と色んな所で言われています。それに関してここでは反論の説明をしていきます。
- 言葉の遅れが生じる
- 思考力が劣る
- 2か国語で話しかけることにより、子供は混乱する
言葉の遅れや障害は起こらない
冒頭の論文では、バイリンガルの子供に言語の遅れや障害を持つ可能性は決して高くない、と記載されています。
ただ、そう感じる親は多いとのことです。
仮に、子供の語彙数(ごいすう)が100単語だったとします。
日本語のモノリンガルの子供が喋れる日本語はそのまま100単語ですが、
日本語と英語のバイリンガルの子供が喋れる日本語は50単語、英語は50単語です。
日本に住んでいる場合は、他の日本人と比べて半分の語彙数(ごいすう)しかないと感じます。
このことで、バイリンガル教育のネガティブな意見が散見される原因となっているのではないかと思います。
また、バイリンガルとモノリンガルの14か月児が、単語と物との関連付けの学習には等しい能力があるという研究結果があるので、やはり言語の遅れを心配する必要はないです。
やり始めたら最後まで
ネットで調べるとたくさん出てくるのが、途中で片方の言語をやめちゃう、ってのです。
最初は日本語と英語の両方を均等に使っていたのに、だんだん英語での話しかけが少なくなっていって、最終的には英語でほとんど話しかけなくなった、というもの。
これは、とてももったいない。
それまで積み上げてきた英語の知識を全て捨てるも同然。
例えば、50語覚えていた英語を捨てて、残ったのが50語の日本語だけ。こうなってしまうと、言葉の遅れが生じているのと同じことになりますよね。
そして、日本語も英語も中途半端で上手く喋れないセミリンガル(ダブルリミテッド)と呼ばれるどっちつかずの状態になってしまいます。
幼少期では使わない言葉はすぐに忘れてしまうので、バイリンガル教育をやり始めたのであれば、絶対に続けるべきです。
思考力が劣るということはない
他にも、バイリンガル教育のデメリットで言われているのが、母語習得前のバイリンガル教育開始により、思考力が育たないというものです。
思考力は言語を習得してから鍛えられていくもので、母語を習得する前に第2言語の学習を始めてしまうと、母語の習得が遅れ、思考力が他の子と比べ劣る、ということらしいです。
まぁ、思考力は言語を習得してからってのは正しいのですが、上記の通り、バイリンガルはモノリンガルと比べても言語の遅れはありません。
また、話し始めのバイリンガルの子供は日本語で話していても、わからない単語があれば、英語の単語をしゃべります。
思考するときも同様に、子供が日本語で思考していたとしても、わからない単語は英語から借りてきて思考します。
ということで、バイリンガル教育をしても子供の思考力がモノリンガルの子供よりも思考力が劣ることはないので、安心してバイリンガル教育をすると良いです。
子供は2か国語を聞いて混乱しない
バイリンガル教育をすると、2か国語で子供に話しかけることになります。
あるときは日本語、でもあるときは英語でしゃべられて子供は混乱しないのでしょうか?
冒頭の論文によると、子供が混乱することは全くないです。
生後4か月までにフランス語とスペイン語のようなリズミカルに似た言語を区別できるという研究結果があります。
なので、例えば日本語と英語の場合、それぞれで話しかけられているときに、子供は違う言葉で話しかけられているということが理解できていて、混乱するというような心配は不要です。
よく誤解されるのは、子供が1文の中に2つの言語を織り交ぜてしゃべっているときです。
これは、混乱によるものではなく、下記の理由があります。
- 周りの大人が織り交ぜてしゃべっているから。
- 未だ知っている単語が少なく、もう一方の言語から単語を借りてくるしかないから。
ということで、子供に対して2つの言語で話をしたとしても、そのことによる混乱はないので、安心してバイリンガル教育をしましょう。
まとめ
バイリンガル教育は下記方法ですると良いです。
- 同時バイリンガルを目指すため、産まれてすぐから始めること
- 一人一言語にこだわらず、たくさん子供に話しかけること
- 一文中の言語は一か国語とすること
この記事は◎ 疑問・3歳にもなるのにまだ2語文。うちの子言葉が遅いかな?・子供と早くおしゃべりがしたい。何をしたら良い?・赤ちゃんが産まれたばかり。早く喋るために今からできることは?と思っている方に向けて書いたものです。[…]