本記事は
・小学校低学年にもなってダメだと言ってるのに何度もするのは何故?
・親の言うことを聞くようになる魔法の言葉があれば良いのに。
と思っている方にお答えしております。
筆者(たーみょん)は執筆時現在、2歳と5歳の娘がいます。
お風呂に入るとき、朝の身支度、片付け等々、なかなか言うことを聞いてくれず筆者はイライラすることが多くありました。
でも、本記事に書いてあるような子供が親の言うことを聞かない理由を知り、自分自身の意識改革ができ、イライラは低減されました。
また、対処法として、ちょっと言葉を変えるだけで言うことを聞いてくれるようになったので、精神的にも肉体的にもかなり楽になってます。
子供が親の言うことを聞かない理由
筆者が考える、子供が親の言うことを聞かない理由は主に以下の3つです。
子供が言うことを聞かない理由
- 未熟だから
- 言われるとやりたくなる(なくなる)から(カリギュラ効果)
- 相手をして欲しいから
理由を詳しく知ると、仕方がないなと思うようになり、イライラすることも軽減されます。
また、理由をもとに他の策を投じることもできます。
まずはしっかりと理由を知ることにしましょう。
未熟だから
子供の脳の機能はまだまだ成長途中です。脳が完全に成熟するのも二十歳を超えてからと言われています。
神経細胞の数や脳の大きさは大人に近づいていても、神経と神経をつなぐ道が不完全なため上手くできないことが多いのです。
例えば、幼児に10kgのものを持ってきてとお願いして、持ってこられなくても怒らないのが普通ですよね。
それは、筋力が未熟だと知っているからですよね。
脳に関しても子供はまだまだ未熟な状態です。
例え小学生であろうとも、出来ないことが多いのですから、それを知ってください。
集中時間が短い
子供の集中力は思っている以上に短いです。
幼少期はせいぜい年齢×1分で、小学校に入ると学年×10分と言われています。
小さければ小さいほど集中力が持ちません。
だから、「これは汚いから触っちゃダメよ」って言って子供は分かったようだったのに、数分後に触ってたしてもそれは当たり前のこと。
子供は一旦理解し、「やめよう」と思っていたとしても、その集中力が長く持たないので、忘れてまたやってしまいます。
何度言われてもです。
子供は、言われたことが聞けないのではなく、言われたことを忘れてしまう。
このことを覚えておくとイライラも軽減されるかと思います。
また、イヤイヤ期のころの子供は脳の前頭前野(前頭葉)が発達していないため「やりたい」と思ったことに歯止めがききません。
だから、ダメと言われても、何でダメなんだ、やりたいんだから自由にやらせろ―、ってなって、癇癪(かんしゃく)を起すんですね。
ちなみに、イヤイヤ期に関する対処法を知りたい方はこちら↓の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:>> イヤイヤ期の対処法
未来を想像できない
言うことを聞かないと、これから嫌なことが起きる未来が待っている、と教えて子供に言うことを聞かせようとすることはよくありますよね。
要するに、脅しをかけることです。
例えば、
「勉強をしないと大人になって苦労するよ」
「早くしないと先に行っちゃうよ」
ですね。
でも、子供にとって、大人になった時のことなんて全く想像できないし、
先に行かれると一人で寂しいってのは想像できても、その後自分はどうなるのかは想像できません。
幼ければ幼いほど想像できる未来は短いです。
ただ何となく親の反応から言うことを聞いた方が良いんだなと理解することはあります。
でも、自ら湧き出るようなやる気には繋がらないので、脅しは意味がないです。
カリギュラ効果
専門的な名称ではないのですが、するなと言われると逆にやりたくなる心理をカリギュラ効果と言います。
その名前の由来は以下の通りです。
ローマ帝国の皇帝カリグラをモデルにした1980年のアメリカ・イタリア合作映画『カリギュラ』が語源で、過激な内容のため、ボストンなどの一部地域で公開禁止になったことで、かえって世間の話題を惹いたことにちなむという
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%A9%E5%8A%B9%E6%9E%9C
学術的には心理的リアクタンスと言われています。
子供はなかなかダメなことが理解できませんから、ダメと言われると、逆に好奇心旺盛になり、親の見ていないときにコッソリなんてこと良くあります。
ちなみに、カリギュラ効果は必ずではないです。
例えば、「勉強しろ」と言われると、したくなくなりますが、「勉強しないで」と言われてもしませんよね。
カリギュラ効果を逆に利用する方法に関しては「子供が素直になる言葉」の項目(もう少し読み進めてください)のところに記載しております。
相手をして欲しいから
子供とおしゃべりしているときってどんな時でしょうか?
もし、怒っているときが多いのであれば、子供は親に相手をして欲しいから言うことを聞かなかったり、いたずらをしたりって可能性が高いです。
そんな時は相手をせず、
言うことを聞いたり、いたずらを止めたりした瞬間に、褒めたり、話しかけたりすると良いです。
子供は親が大好きです。
親に相手をしてもらうためには何をしたら良いのかわかっているので、親も相手をするタイミングを見極めると良いですね。
でも、どうしてもイライラして、怒鳴りつけてしまう時にはストレス発散が必要ですね。
下記記事に簡単なストレス発散方法をまとめておりますので、ご覧ください。
関連記事:>> 「ながら」でするストレス軽減策
子供が素直になる言葉
100%ではないですが、筆者の娘たちや友人たちには高確率で効く、子供が素直になる言葉を紹介します。
子供が素直になる言葉5つ
- ○○したら○○しようか
- 競争ね
- がんばってるね
- どっちが良い?
- 母(父)がするね
いつも言っている言葉をちょっと言い換えるだけで、子供も親もストレスがなくなります。
子供が親の言うことを聞かないときの言葉って
- ○○しなさい
- ○○はダメ
など命令が基本です。
命令は上記の通りカリギュラ効果で言うことを聞きたくなりません。
つまり、命令ではなく親の工夫次第で子供の行動は変わります。
その例を順にみていきます。
○○したら○○しようか
例えば、テレビを見ていて、
「今見ている番組が終わったら、ご飯を食べようか」
とか、公園で遊んでいて
「(時計を見せて)時計の長い針が1のところに来たら帰ろうか」
といった感じで、今子供がやっていることを無理やり中断させるのではなく、キリの良いところまで来てから止めさせるようにすると素直に聞いてくれることが多いです。
親の都合だけで子供に言うことを聞かせようとするのではなく、子供の都合も考えて互いの合意の上で行動することが大切です。
競争ね
競争心を掻き立てるとやってくれることが多いです。
例えば、筆者は
「幼稚園に行く準備と、お父さんが朝ごはんの食器片付けするの競争ね。どっちが速いかな。」
と良く言っています。
すると、娘は
「私の方が早いよ」
と言って、すぐに着替えてくれます。
ただ、上記でもありましたが、子供というのは集中力が続かないので、興味のあるおもちゃを見つけるとそっちに行ってしまいます。
そんな時は
「そうそう、遊んでて。今のうちにお父さんが片付け終わらせて勝つから」
というと、思い出して、再び急ぎ始めます。
こういう場合は、カリギュラ効果が効くみたいなんです。
ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも、早くしてほしい時には、とにかく競争です。
そして、出来るだけ勝たせてあげます。
でも、時々私が勝ってます(大人げなく…(笑))。
子供というのは競争が大好きです。
圧倒的に不利な状態でない限り、挑戦し、勝ちたいと思います。
早くしてほしい時には是非試してみてください。
がんばってるね
褒めることが大切。
特に、結果ではなく、頑張った過程を褒めると良いです。
だから、「がんばってるね(がんばったね)」の言葉が良いんですね。
何を、どれだけ、どのようにしたのかをちゃんと見てあげて褒めると良いです。
例えば、宿題をしなさいと言って子供はしぶしぶ言うことを聞くが、すぐに遊んでしまったとき。
少しは宿題をしているのだから、「頑張って1問解いたんだね」のような褒める言葉をかけてあげると良いです。
出来れば、宿題を始めてすぐに「頑張って宿題を始めたね」のような言葉が出ると良いです。
そして、集中力が切れたな、ってときに「頑張って宿題してるね。わからないことあったら聞いてね」のように声をかけてあげると継続してくれます。
筆者の娘は2歳と5歳ですが、二人とも迷路や算数のドリルをしています。
上記のように、頑張っていることを褒めることで、自分から積極的にドリルの勉強をするようになりました。
ちょっとした努力を褒めてあげることで言うことを聞いてくれるようになるので、積極的に褒めましょう。
関連記事:>>やる気が持続する褒め方
どっちが良い?
何かやって欲しいことに対して、2つ以上の選択肢を与えて子供に決めさせるとやる気が増します。
ここで、玉川大学の研究を紹介します。
(参考: https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201411/m37_opinion_matsumoto.pdf)
ストップウォッチで5秒ピッタリに合わせる遊びで実験を行います。
ストップウォッチを持ったことのある人は必ずと言っていいほど、ついついやりたくなる遊びですね。
次の2つのグループで実験を行いました。
- 5秒ピッタリだった人にはお金が支払われる。
- 5秒ピッタリでも何も与えない。
何度か試した後に休憩に入ると
1の報酬がもらえるグループはストップウォッチの遊びをやめてしまいました。
2の何ももらえないグループはストップウォッチで遊び続けました。
休憩の後、1の報酬がもらえるグループは報酬を与えないことに変更して同じストップウォッチの遊びをしてもらいました。
すると、脳のやる気に関係する部分を特殊な装置で確認すると活性化していませんでした。
1の報酬がもらえるグループは最初から最後までやる気が出ず、やる気が出ている人たちと同じ条件にしたにも関わらずやる気が出ないままです。
2の報酬がもらえないグループは5秒ピッタリにできたときに、脳のやる気に関係する部分が活性化されています。休憩時間にも積極的に遊びを続けています。
お金が発生するということだけで、「やらされている感」が出てしまったということです。
自らがやろうと思っているところに「これを頑張ったら、欲しいものをあげる」と言われたとたんに、やらされた感が出て、やる気がなくなるということです。
また、上記実験は次のように実験を続けています。
2種類のストップウォッチを用意し、2つのグループに分けます。
- ストップウォッチを選べない
- ストップウォッチを選べる
今度は脳のポジティブ(前向き)に考える部分が活性化されるか否かを見ていきます。
1の選べないグループは5秒ピッタリに合わせられた時には脳が活性化され、失敗したときには活性化されませんでした。
2の選べるグループは5秒ピッタリに合わせられたときにはもちろん、失敗したときにも活性化されました。
つまり、ストップウォッチを選べないというだけで、失敗したときにネガティブ(後ろ向き)になり、ストップウォッチを選べるだけで、失敗してもポジティブでいることができるのです。
「どのお洋服を着ていく?」
「パンとご飯どっちが食べたい?」
「どの本を読む?」
普段から子供に選ばせるようにすると何事にもやる気を出して、ポジティブに物事に取り組んでくれるようになります。
筆者も絵本を読み聞かせるときは本を並べて「どの本が読みたい?」と聞いてから読むようにしています。
すると真剣に最後まで本を読むようになっています。
1歳になる前からこれを実践しているので、筆者の娘は2人とも本を読むのが大好きです。
理想は全て子供が自分で考えて、自分で行動することですが、まだまだ、それは難しいです。
だから親が問いかけやヒントを与えて、子供は出来るだけ自分で決めて行動していると思う様にしていきたいものです。
母(父)がするね
子供はミラーニューロンの影響で大人をみて色々まねてしまう
これを利用しましょう。
そもそもミラーニューロンって何なんでしょうか。
ミラーニューロンとは、自分が行為を実行するときにも他者が同様の行為をするのを観察するときにも活動するニューロンである。単に行為の視覚特性に反応しているのではなく、行為の意図まで処理していることが示唆されており、他者の行為の意味の理解・意図の理解などとの関与が提案されている。
>>引用:脳科学辞典”ミラー・ニューロン”
とのことです。まねっこ細胞って呼ぶとわかりやすいかもしれませんね。
要するに、子供は親の背中を見て育つってことです。
親がしっかりすると、子供もしっかりするんです。
だから、子供が「やらない!」って言っているときに、じゃあ「父がやるね」って言うと、子供は真剣に私のやっていることを見て、「やっぱり私もやる」ってなることが多いです。
座っているときの背筋、まっすぐしてますか?
おなかたるんでませんか?甘いものを控えましょう。
食事中のマナーちゃんとできてますか?
禁酒、禁煙できてますか?
子供の前でずっとスマホいじったままじゃないですか?子供との会話もっとしましょう。
大人がちゃんとできると、ミラーニューロン(真似っこ細胞)のおかげで子供もちゃんとできてくるんです。
筆者はちゃんとできてないことも多いので、例えば、座っているときに
「背筋ピーン」とか言って、背筋を伸ばすと、娘も「ピーン」って言って一緒に背筋を伸ばしてくれることもあります。
親だけで頑張ったとしても、子供に影響があるんです。
大人の頑張る姿が子供にも影響するんです。
今できていないからあきらめよう、じゃないんです。
できてなくても、頑張る姿を見せてあげてください。
子供にもその気持ちがちゃんと伝わりますから。
まとめ
まずは、子供がなぜ言うことを聞かないのかを良く知ることが大切です。
そして、「言うことを聞かせよう」と思うのではなく、「一緒に成長しよう」と思うことが何かとうまくいくコツとなります。
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