言葉が早い子は怒りの抑制が上手という研究【脱イヤイヤ期】

腕を組み考える男の子

本記事は

  • 子供が早くしゃべることのメリットってあるのかな?
  • うちの2歳の子は怒ってばかり、原因は?
  • 言葉の発達が早い子って何か特徴があるの?

と思っている方に向けて書いております。

筆者(たーみょん)には2歳と5歳の娘が二人おります。
2歳の娘も5歳の娘もイヤイヤ期と言われるような大げさなイヤイヤはめったにありません。
イヤイヤ期?魔の2歳児って何?って状態です(笑)。

筆者の娘たちに共通する特徴と言えば、言葉が早いと言うことです。
二人とも2歳でマシンガントークをしています(笑)。

下の子が2歳になりたての頃に病院で
「おねぇちゃん。先生がちゃんと診てくれるからね。」
と上の子に対して正確な文章ではっきりとしゃべったので、
小児科医の先生と看護師さんの手が止まり、ビックリしていました。

なので、小児科医お墨付きの早さです。

私の娘たちの怒りが少ない(イヤイヤ期がない)のは、早い時期からおしゃべりが上手だから、ということを証明してくれている研究を紹介いたします。

言葉が早い子は怒りの制御が上手という研究

研究内容
Longitudinal Relations Among Language Skills, Anger Expression, and Regulatory Strategies in Early Childhood
Caroline K. P. Roben, Pamela M. Cole, and Laura Marie Armstrong
The Pennsylvania State University
幼少期における、言語能力と怒りの表現や調節方法の関係
ペンシルベニア州立大学
参考:https://pdfs.semanticscholar.org/f896/b8e7bf52e71d311374f6d5feedffdfc547f8.pdf

経済状況が似通った120人の1歳半の子供に対して4歳までの間研究を行いました。
4回の自宅訪問(18、30、36、42ヶ月)と4回の実験室に来てもらって(18、24、36、48ヶ月)観察を行っています。

子供の怒りの表現とコントロールを観察

本を読んで爆笑する男の子

子供の怒りの表現とコントロールは、8分間の退屈な待機中に観察されました。
各母親は、自分の仕事が終わるまで子供が贈り物を開くのを待たなければならないことを子供に伝えるように指示されました。

調査された年齢層の典型的な子供は、待つことが欲求不満だからです。
まず母親は、母親が笑ったり、楽しませるようなことを子供のためにしないように、事前に説明を受けました。

母親には「仕事」(アンケート)
子供には年齢にあった全く面白みのないおもちゃ
を与えました

18ヶ月: ゴム製のパッド
24か月: 一対の布シンバル
36か月: 車輪が欠けている小さなおもちゃの車
48か月: 脚のない玩具馬

テーブルにリボンでしっかりと縛られたギフト包装された袋を置き
「これはとっても驚くようなプレゼントだよ。」
と言って実験者は部屋から出ていきます。

それから母親は子供に仕事が終わるまで待つように言い、 8分後に母親は子供に贈り物を開けさせました。

実験結果

実験中の子供たちの行動は

  1. 母親に質問する。
    「仕事終わった?」、「袋の中には何が入っているのかなぁ?」など
  2. 別の行動をして紛らわす。
    「鏡に向かってふざけた顔をする」など
  3. 上記行動では紛らわすことが出来ず、怒りをあらわにする。

の3種類が見られました

言語能力の高い子供は上記1、2(質問や別のことをする)
低い子供は上記3(怒りをあらわにする)
する傾向がありました。

それでは、どうして上記のような結果となったのかを考えてみます。

実験の考察

肘をつき微笑む女の子

言語能力の高い子供

言語能力の高い子供は質問や別の行動をすることで、プレゼントから自分の意識をそらしていました。

子供は自分の欲求を正確に伝えることができるので、母親と会話ができます。
その会話の中で、自分に課せられたルールをしっかりと理解し、納得することが出来ます。

  • 「今は欲求が満たされない」
  • 「後から欲求を満たしてもらえる」
  • 「それまで待とう」

と理解し、納得することで、
意識をそらす必要があると自らが考える様になるのです。
そして、意識をそらすために他の遊びを考えます。

つまり、言語能力の高い子供は会話することで、自らがすべきことを自ら導き出し、自然な流れで怒りの感情を抑えることが出来ていたのです。
ということは、論理的思考力も発達しているということ。単純に賢いって言っても良いですね。

言語能力の高い子供は、普段から怒りをコントロールする方法を自ら導き出しているので、成長するにつれ、怒りのコントロールに磨きがかかるのだと予想できます。

言語能力の低い子供

言語能力の低い子供は我慢できずに怒りをあらわにしていました。

自分の欲求を伝えることが出来ないので、
伝えることに意識し、いらだちが溜まっていきます。

  • 「早くプレゼントを見たい」
  • 「お母さんは何か言ってるけど意味がわからない」
  • 「早く見たいって伝えているのに、なんで理解してくれないの?」

と、会話が正確にできないことにより、イライラが溜まっていき、癇癪(かんしゃく)を起こします。

言語能力の高い子供は一旦会話が成立しているので、小さな欲求が一度満たされています
言語能力の低い子供は会話が成立しないので、欲求が一つも満たされません。

そのため、癇癪(かんしゃく)を起こして泣き叫ぶことでしか自分を表現できなくなってしまいます。

言語能力の低い子供は、何をするにも、

  • 伝えられない
  • 理解してもらえない
  • 助けてもらえない

と考える様になり、そのイライラを怒りとして表現する以外発散する方法がわからなくなってしまいます。

そのため、成長しても怒りのコントロールがうまくできなくなるのだと考えられます。

言語能力を高めようとしても、子供によってはなかなかしゃべらない、という場合もあるかと思います。
そんな時は子供の言わんとしていることを理解してあげると良いです。
言語能力の低い子供は伝わらないから怒りやすくなるのであって、伝われば言語能力の高い子供と何ら変わらないからです。

だから、子供をよく見て、理解してあげようとするだけで変わってきます。

まぁ、全てを理解するのって無理ですけど、理解しようとする姿勢だけでも子供に伝わると違ってくるんじゃないですかね。

研究では、子供の言語発達が早ければ早いほど、怒りの軽減に寄与していると述べています。

しゃべるのが早ければ早いほど、自らが怒りを軽減する術をしっかり身に着けることが出来、年とともに磨きをかけることが出来るのだと考えられます。

言葉を早く喋るための働きかけ

親子で楽しむ会話

子供が早く言葉を発するためには、出来るだけ子供にたくさん話しかけることが大切です。

どのくらい?と思われるかもしれませんが、可能な限りずっとです。
子供が起きているときにはずっとが理想ですが、それは非現実的なので、可能な限りということです。
また、親の精神が病んでしまっては本末転倒になるので、可能な限りです。

筆者は、子供と遊ぶときには、私がしていることを説明したり、今持っているものが何かを説明したり、何色でどんな形でどんな感触なのか等を説明したりしていました。
ご飯を食べさせるときにも何を口に入れるのか、熱いのか冷たいのか等々説明をしていました。

産まれてすぐからずっとです。
ずっとその場に応じた状況を説明するなど話しかけ続けています。

他にも寝る前には絵本を読むことが習慣になっています。

絵本は話しかけのきっかけになるので、たくさん読んであげましょう

とにかく、子供にはたくさん話しかけることが子供の言語能力の発達に貢献できます。

子供が早く喋るための働きかけ

  • 方法→子供にたくさん話しかけること
  • 量→可能な限りずっと話しかける
  • いつから→産まれてからずっとすると良い

もし、今まであまり話しかけてこなかったとしても、今からすぐに子供にたくさん話しかけてあげれば大丈夫です。
もう手遅れなんてことはないので、今からたくさんおしゃべりしてあげてください。

何を話しかけたら良いのかわからないって方は、幼児教材の活用もありです。下記記事参考にしてみてください↓。
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2歳未満はこちら↓。
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まとめ

しゃべり始めが早く、言語能力が高い子供ほど怒りの感情を抑えるのが上手い。

筆者の経験では、イヤイヤ期にも良い意味で影響していて子育てがとても楽になっています。

とはいえ、言葉が早くてもイヤイヤ期だよって言っている人もいます。
可能性としては言葉が早くても、意思の疎通がうまくいってない可能性がありますし、自制心を司る前頭葉が未熟の可能性も考えられます。

まずは、意思の疎通がうまくいくように、とにかく子供にたくさん話しかけてあげることが大切です。
話しかけ方の事例やコツなどを下記記事にまとめましたのであわせてご覧ください。

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