この記事は
・イヤイヤ期はなぜ起こるのか原因を知りたい。もし可能なら予防したい。
・うちの子イヤイヤ期ひどいんだけど、どんな対策がある?
・イヤイヤ期なかった子がいると聞いたけど、本当にそんなことありうる?
と思っている方の疑問に答えます。
筆者(たーみょん)には執筆時現在5歳と2歳の娘がいます。
2人ともイヤイヤ期らしいイヤイヤはないです。
空腹時と眠い時こそ大変なことはありますが、良く聞くような手に負えない状態になることはほとんどありません。
本記事では筆者が子供たちにしてきた内容をベースに記載しております。
実績が2人だけではありますが、根拠のある予防、対処方法ですので、読んで損することは絶対にありません。
是非、最後までご覧ください。
イヤイヤ期はなぜ起こるのか
一般的に、癇癪(かんしゃく)の頻度が多かったりや暴れ方がひどかったりする幼少期の期間のことをイヤイヤ期と呼んでいます。もう少しきっちりした言い方をすると「第一次反抗期」です。
では、なぜイヤイヤ期が起こるのでしょうか。簡単に説明いたします。
イヤイヤ期の原因
イヤイヤ期が起こる原因は
自我が芽生えてくるころ、あれがしたい、これがしたい、という欲求が増えてきますが、
その欲求を抑えたり、満たされなかったときの怒りを抑えたり、といった我慢する能力が未だ備わっていないからです。
ちなみに、”我慢をする”という命令を出すのは脳の前頭葉と言われる部分です。
イヤイヤ期の原因
- 自我が芽生えたから
- 前頭葉(我慢の能力)が未熟だから
実は前頭葉が本格的に発達し始めるのは1歳半ごろからなんです。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku/18/3%2B4/18_101/_pdf
脳全体としては、5歳ごろまで急激な発達を続け、その後は緩やかな発達を続けます。
参考:https://kubotanouken.com/about/brain_science.html
1歳半ごろから自我が芽生え、体力的にも能力的にもいろんなことが出来る様になり、
やりたいことがどんどん増えてきてます。
でも、我慢をするための脳の部位「前頭葉」は未だ発達し始めたばかり。
だから1歳半ごろからイヤイヤ期なんです。
そして、徐々に前頭葉が発達していき、おおよそ3歳から5歳の間に我慢が出来る様になり、イヤイヤが減っていくという流れです。
参考:https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/p01_210402.html
- 自我の芽生え(1歳半ごろ)
やりたいことがいっぱい。 - 「駄々をこねる」を覚える(1歳半ごろ)
要求が通らないとイヤイヤと言って暴れて発散するしかない。 - 前頭葉の本格的発達の開始(1歳半ごろから)
まだまだ我慢が出来るほどの成長ではない。 - 卒イヤイヤ期(3~5歳ごろ)
我慢が出来る様になる。我慢を他のことで紛らわせるようになる。
イヤイヤ期はいつまで?
親が感じるイヤイヤ期の期間のデータは下図のようになっております。
各年齢の子を持つ親に聞いた「今うちの子はイヤイヤ期」の割合
(0歳~5歳児を持つ男性・女性を対象にインターネットで調査 n=9,250)
データ入手元: https://iya-iya.jp/report01/
半分以上の親がイヤイヤ期と感じているのは1歳半から3歳半の間です。
0歳前半からイヤイヤ期って人もいますが…
厳密に言えば「お腹すいた」や「おむつ替えて」で泣くのもイヤイヤ期
と言う専門家もいるようですので、それを参考にして回答している可能性はありますね。
5歳後半になっても4人に1人はイヤイヤ期です。
長い子は長いんですね。
下記予防と対策を実行して、イヤイヤ期が長引かないようにしましょう。
イヤイヤ期の予防と対策
前頭葉の発達開始は1歳半ごろからということでしたが、そうすると
我慢は1歳半ごろまで出来ない?
イヤイヤ期を回避することはできないよね?
と思うかもしれませんが大丈夫です。
前頭葉の発達を早め、我慢することを早く身に着ければ良いんです。
そもそも、子供は1歳半ごろまで我慢する必要がありません。
泣けばすぐに誰かが来て手を差し伸べてくれ、食べ放題の出し放題、何もしなくても全て周りの大人がやってくれる。
ところが、欲求が増え、周りの大人が対応しきれなくなることで、我慢する必要が増えていき、前頭葉の発達の必要性が高まって、やっと我慢できるようになる、という流れです。
ということは、出来るだけ早く前頭葉を刺激し、発達を促すことで、イヤイヤ期の時期には我慢することを覚えていることになり、イヤイヤ期の予防ができるということになります。
ということで、下記予防方法を順に説明いたします。
予防方法
- 前頭葉のトレーニング
- 語彙力向上
前頭葉のトレーニング
トレーニングはいつから始めても効果があります。
イヤイヤ期が始まっているからもう遅い、と思わないでください。
イヤイヤ期を早く終えるための方法の一つとして役立ちます。
トレーニングをするうえで絶対に守ってほしいことは、
無理やりさせないこと
です。
楽しみながら、ちょっとずつ行っていきましょう。
前頭葉のトレーニング
- 躾けを教える
- おむつ替えで寝返りをさせない
- No-Go遊び
- 後だしじゃんけん
- いないいないばあっ!
躾(しつけ)を教える
- ごはんのときには立ち歩かない。
- 図書館では大きな声を出さない。
- 道路には飛び出さない。
など、いずれは必ず身に着けたいことを、言葉が理解できてなくても教え込みましょう。
最初はできなくて当然です。
声かけだけでも良いんです。
そして、ちょっとでも出来たらほめてあげましょう。
例えば、離乳食が始まったら、
「ごはんの間はここに座って食べましょう」
「ごちそうさまでした。はい。ごはんが食べ終わるまでちゃんと座っていられました。よくできました~。」(ニコニコ顔でなでなでしてあげる)
といった感じで、毎食声掛けをしてあげます。
もちろん最後まで出来ることは少ないので、出来なくなった時に、それまでは出来ていたと褒めてあげると良いです。
また、お出かけの前や図書館に入る前等、何かをする前にしてはいけないことを約束しておく。
ただし、子供は集中力が持続せず、すぐに忘れてしまいます。
そのため、数分おきに
「○○しないんだったよね。今ずっとできているね。その調子だよ。」
といった感じにほめながら、約束のことを思い出させると良いでしょう。
ちなみに、脳科学の権威の久保田競先生は褒めることで、前頭葉の働きが良くなるとおっしゃっております。ほめながら躾けると効果的ですね。
おむつ替えで寝返りを我慢させる。
寝返りをし始めたころから効果的にできるのは、おむつ替えの最中に寝返りをして逃げようとするのを我慢させることです。
筆者の娘がおむつをしていたころは、気分によってはおむつ替えが嫌で泣きじゃくることがありました。
そんな時にはいったん寝ころんだ状態で遊んであげて、落ち着いてからおむつ替えです。
例えば、”いないいないばあ”です。
おむつ替えのための新しいオムツを顔に乗っけて、
「あれ~、どこいったかな~」
と言って、娘がおむつを取ると、
「ばあ~」
とニコニコ顔で言ってあげます。
そして、次はズボンを脱がせながら、
「ズン、ズン、ズン、ポ~ン!!」
と面白く言ってズボンをはぎ取り、また顔に乗せて、おむつと同様のことをして遊んでいます。
それからおむつを替えると、大体はおとなしく出来る様になりました。
是非、参考にしてください。
No-Go遊び
「やりたいと思ったことを我慢させる」を遊びに変えたものです。
例えば、昔ながらの遊び「だるまさんがころんだ」がわかりやすいです。
「走る、歩く」からの「止まる」
進みたいけど止まらなければならない状態、これが良いんです。
だるまさんが転んだ、にとらわれることなく、年齢に応じてアレンジして遊んであげても楽しく遊べるんじゃないかと思います。
後だしじゃんけん遊び
後だしじゃんけんで負けたらOKなどとルールを決めて、それを覚えて、実践する。
ルールを覚えて自制しながら遊ぶ、これが前頭葉に良いんです。
何かの待ち時間等ちょっとしたところでもできるので、楽しく暇つぶしができて脳トレにもなって、とても良いトレーニングかと思います。
だるまさんがころんだとじゃんけんは2歳以下だとかなりレベル高いかもしれませんが、成長を見ながら試したり、アレンジしたりすることが大切です。
いないいないばあ
いないいないばあ
は前頭葉の機能の一つワーキングメモリを鍛えるための遊びです。
「いないいない~」
と言って親が顔を隠している間に子供は、
顔を隠している
ということを、隠している間ずっと覚えていなければならないのです。
しかも、親の顔が出てくると期待しながら。
このように短い期間の記憶(ワーキングメモリ)をしまっておく場所が前頭葉なのです。
テキトーにやると子供はすぐに飽きます。
必ず10パターン以上の変顔を用意して、ためにためてから「ばあ!!」とすると子供は大喜びです(笑)。
筆者は子供が産まれてすぐからしています。
産まれたては隠す時間を短く、慣れてきたころから長くすると良いです。
語彙力向上
下記記事でも書いておりますが、言葉を早く身に着けることで、怒りのコントロールが上手くなります。
参考記事 >>言葉が早い子は怒りのコントロールが上手いという研究
簡単に言うと
→親「ダメ、○○だから」
→子「でも、○○だからしたいな」
→親「そうかぁ、ごめんね、今○○だから、後でもいい?」
→子「うん。分かった。じゃあ他のことしよう」
と、親の言うことを理解でき、他のことに目を向けることが出来る様になります。
これが、言葉の遅い子だと
→親「ダメ、○○だから」
→子「意味わからない。なんでやらせてくれないの」(泣)
と、親の言葉が理解できず、自分の気持ちも上手く伝えられないので、癇癪(かんしゃく)につながりやすいんですね。
でも、言葉が早くても意思の疎通がうまくいっていなければ、言葉が遅い子と同じですし、逆に言葉が遅くても意思の疎通がうまくいっていればイヤイヤも少なくなります。
とはいえ、早く喋ることが意思疎通をしやすくするので、下記記事に記載の方法で早く喋れるようになって損はないです。
乗り越えるための対策
既にイヤイヤ期という方は、上記予防法を今から初めても効果はあります。
イヤイヤ期を早く終わらせることができるからです。
ですが、即効性は期待できないので、イヤイヤ期が終わるまでの期間に、すると少しは軽減できることを記載いたします。
対処法
- 良く寝る
- 砂糖を控える
- 子供の話を聞く
- やる気を出してもらう
良く寝る
寝不足は前頭葉の働きを鈍くしてしまいます。
大人のイライラにも言えることですが、寝不足は怒りっぽくなってしまいます。
大人も子供も早くたくさん寝て穏やかな心で触れ合いましょう。
砂糖を控える
砂糖に関しても、子供と大人のイライラに言えることです。
砂糖は血糖値を乱高下させます。
砂糖摂取後すぐに血糖値が急上昇し、急下降します。
これに合わせて、感情も乱高下します。
血糖値はゆっくり上がり、ゆっくり下がる方がイライラはしにくくなるので、
出来るだけおやつや食事では甘いものを減らしましょう。
ちなみに、甘味料は腸内細菌の環境を悪くするだけでなく、砂糖に対する欲求も増すということなので、併せて避けた方が良いでしょう。
低GI食品
おやつには出来るだけ低GIのものを摂取すると良いといわれております。
低GIってなんだ?ってなるかと思いますが、
単純に言うと血糖値の上昇が緩やか、もしくはほとんど上昇しない食べ物のことです。
食物繊維が多いものは大体低GIだと思って良いでしょう。
なので、おやつには野菜や果物を摂取することをおススメします。
また、低GIと書かれている食品(お菓子)もあるので、スーパーなどで探してみると良いと思います。
子供の意見を良く聞く(肯定してあげる)
子供の話をとにかく聞いてあげてください。
- 何がしたいの?
- 何が欲しいの?
- 一旦泣き止んでお話聞かせて
という感じで聞いて、子供が主張を伝えてくれるまで冷静にじっくり待ってあげましょう。
イヤイヤ期のころはまだ上手く喋れない子が多いですが、
親が子供の言いたいことを理解しようとする姿勢
を持つだけで、伝わってくることはいっぱいあります。
聞いてもらえると分かっただけで、落ち着く子もいます。
子供の話を聞いて、子供の立場に立って、否定せずに子供にやさしい言葉をかけてあげましょう。
- 難しいね。どうやったら出来る様になるのか、一緒に考えてみよう
- 欲しいよね。買ってあげたいけど、昨日も買ったから毎日は買えないの、ごめんね。
など、子供の気持ちを肯定してから親の気持ちを伝えましょう。
やる気を出してもらう
そもそも、その気にならないからイヤイヤなんです。
だったら、やる気を出してもらおう、ということです。でも、やる気を出したとしても上手くできなくてイヤイヤになることも…
イヤイヤ期の一例として
子供が自分でやろうとする→できなくて癇癪→親が手伝おうとする→なぜか癇癪…
といったことが有りますよね。
このケースでは癇癪(かんしゃく)を起す子供の気持ちが複合で存在するのですが、
- 普段から過保護過干渉のため、なんで出来ないのに助けてくれないんだ、という思い
- 言葉が未熟なので親に助けを求められない
- 親が手伝いに来たのに言葉がわからないので歯がゆい思い
- 最初はやる気があったのにできなくてやる気が失せる
等々ですね。
なので、
- 子供には、求めるまで手助けはない、と教えるため過保護過干渉はしない。
- 言葉を早く覚えてもらうように働きかける。
- やる気を維持するように働きかける。
が大切です。
言葉を早く喋ってもらうことに関しては↓こちらを参考にして下さい。
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その他
おまけの小ネタです。
話題を変える
話題を変えるのも良いです。
何か欲しいってなった時、
今日は他の物買うから、それ買えないの。
○○ちゃんが大きくなったら、いっぱい稼いで美味しいものいっぱい食べさせてね。
大きくなったら何になるんだっけ?
楽しみだなぁ~
みたいな流れで話を変えていきます。
小声
子供の泣き声が大きすぎる時には、逆に小声で話しかけると泣きやみ、一生懸命聞こうとすることもあります。
(効き目は稀ですね。試してみても良いですが(笑)。)
どうにもならないとき
その時の気分や子供の個人差によって上記内容の効果の有無は様々ですが、
何をやっても子供は全く動じず、泣きじゃくるだけの状態のときには、親は子供から一旦離れ、子供が落ち着くまで待つことも必要です。
お茶でも飲みながら、のんびり見守りましょう。
まとめ
イヤイヤ期の予防も対策も、前頭前野のトレーニングが最適です。
大人も子供も無理せず楽しみながら、トレーニングをしましょう。
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