フェンシングのエペとは?ベテラン指導者が解説【動画あり】

・フェンシングのエペとは?
・エペってどんなルールなの?
・エペの武器防具はどんなものなの?

こんな疑問を持った人に向けて書いた記事です。
筆者は学生時代(大学、大学院の計6年間)に中学校のフェンシング部コーチをしておりました。
教えていた生徒たちの中には、インターハイでエペ個人優勝したものも何人かいます。そのため本記事の信憑性を高く持ってもらえると思っております。

フェンシングのエペとは?

エペとは、フェンシング競技の3つある種目のうちの一つで、3種目の中で最も決闘に近いスタイルの種目です。
エペはフランス語で「剣」を意味します。

エペの攻撃は突きのみ有効で、有効面は全身です。
極端な話、足の裏も有効面です。

剣の先端はスイッチになっており、750g以上の力で突かないと突いたことにはなりません。

また、剣やピスト(競技用コート)を突いても審判機は反応しないようになっています。

エペの防具

マスクは全て電気的に絶縁されている状態(非導電性)で、金網部分も塗料で絶縁されています。
ビブ(マスクの首にあたる布の部分)も同様です。
ちなみにフルーレはビブの一部、サーブルはマスク全体が導電性(電気が通る)です。
フェンシングマスク

ユニフォーム上下、グローブは3種目共通です。(でもサーブル専用グローブもあります)
フルーレとサーブルはユニフォームの上に、有効面を検知するためのメタルジャケット(導電性の生地)を着ていますが、エペは着用しません。
全身が有効面なのでメタルジャケットを着て有効、無効の区別をする必要がないためです。

エペ剣

エペ剣は重量770g、全長110cmで3種目の中で、最も大きく、最も重いです。

ガード(つば)はフルーレよりも一回り大きく、手が完全に隠れる大きさです。
刀身の断面は三角形で、他種目と比べて曲がり難く、硬くなっています。

ヒルト

エペ剣
CC BY-SA 3.0    https://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Degen.jpg

フルーレの持ち手部分(ヒルト)は、ベルギアンやビスコンチなどと呼ばれるピストルのような形(下図上)を使用するのが一般的ですが、エペの場合はさらにフレンチと呼ばれる棒状の持ち手(下図下)を使用する人もいます。

  • ピストルタイプのグリップは剣を力強く動かすことができるがリーチは短い
  • 棒状のグリップの場合はリーチが長くなるが力強く動かすことはできない

という特徴があります。
どちらも一長一短なので、選手の特徴に合ったものが選ばれています。

↓他種目との比較

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エペのルール

フルーレやサーブルと違い、攻撃の優先権(フレーズ)がないので、初心者が見てもとても分かりやすいです。
とにかく、突いたもの勝ちといった感じで、試合は互いに慎重になりがちなため、3種目の中でも最も試合時間が長くなります。

そのため、無意欲試合という罰則が適用されることが多いです。
無意欲試合とは、1分間両者共に点数が入らない、もしくは明らかに無意欲な試合のことです。
その場合は、イエローカードが出され、次のセットに移行します。
次のセットがない場合は、試合残り時間が1分間となります。

試合では突いた選手側のランプ(or)が光り、得点が入ります。
ランプの点灯を見ているだけで、どちらに点が入ったのか、即座にわかるので、フェンシングのエペのことを知らなくても、わかりやすく、楽しめる競技種目です。

また、エペは3種目の中で唯一同時得点があり、両者同時に突いたときに両者のランプが光り、同時得点となります。
同時と判断されるのは、片方の選手が突いてからもう片方の選手が突くまでの時間が0.04秒以内のときです。
ちなみに、同時得点のことを「クードゥブル」と言います。

ただし、両者共に、あと1点で勝利(15点先取の場合は14対14、5点先取の場合は4対4、など)のときは、同時得点とはならず無効になる。

ちなみに、フェンシングにデュースのルールはありません。

 

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まとめ

エペは早く突いたもの勝ちで初心者でもわかりやすいルールです。

また、同時得点もあります。

単純明快ゆえに選手は互いに攻めを躊躇(ちゅうちょ)し、試合時間が長くなることも多い。

 

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