この記事は、
・フェンシングのフレーズって何?
・フルーレとサーブルのフレーズの違いって何?
・フレーズの詳細が知りたい
こんな疑問を持った人に向けて書いた記事です。
筆者(たーみょん)は学生時代に中学校のフェンシング部コーチをして2年連続団体優勝経験があります。そのため、本記事の信憑性を高く持ってもらえると思っております。
フェンシングのフレーズ(フラーズ・ダルム)とは?
フレーズ(正式にはフラーズ・ダルム)とは、剣と剣との旋律を意味しており、
ルールブックでは「突きとかわしの一連の動作」と説明されております。
別の言い方をすると、フレーズとは、攻撃の優先権の移り変わりのことです。
フレーズを理解することで、選手たちがどのように攻撃や防御をしているのかを見極め、勝敗を判定することができます。
ちなみにサーブルもフレーズがありますが、フルーレとほぼ同等の内容です。
エペにはフレーズがありません。
フェンシング用語集はこちら↓
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フレーズ解説
・先に攻撃を仕掛けた方に優先権がある。
・攻撃に対して、剣を払いのけるか、かわすことで優先権が移る。
基本的にはこれだけです。
ですが、他に細かい条件等があって、それがややこしかったりします。
攻撃のフレーズ
フルーレのフレーズに関して、ルールブックでは
正しい攻撃とは、ファントの直前に腕を伸ばし、ポイント(剣先)が相手の有効面をおびやかしている必要があります。
とあります。
サーブルは上記「ポイント」の単語が「ポイントと刃先」に代わるだけです。
これは、サーブルに斬る動作が加わっているので「刃先」という単語が入っているだけで、基本は同じです。
「ファントの直前に腕を伸ばす」これ重要です。
いくら早くアタックを仕掛けたとしても、
腕が曲がっていては、相手に優先権が移ることがある
ということです。
でもでも、ワールドカップ等大きな大会を色々見てて思うのは、
審判によって違う!
ということです。
腕が曲がっててもOKとする審判や、そうでない審判がいます。
この事実が、フェンシング協会太田会長の現役時代の
「ルール(フレーズ)はあまり良くわからない。」
「負けたと思っていても、ビデオ判定で勝ったことが有る。」
という発言につながります。
だからこそ、これからの選手はどんな審判にあたっても良い様に
- 審判によって戦い方を使い分けられるようにする
- どんな審判であっても大丈夫なような戦い方をする
ということが必要になってきます。
まぁ、本当は選手ではなく、審判が正しい方向に向かってもらわないといけないんですけどね。
ポワント・アン・リニュ
ポワント・アン・リニュは単にアンリニューと言うことが多いです。
アンリニューとは、
相手が攻撃する前に、腕を伸ばし、剣先が絶えず相手の有効面をおびやかす状態のこと。
自分がアンリニューをした場合、
相手に剣先をそらされない限り、攻撃の優先権は自分にあります。
つまり、ちょっとした接触では優先権は移行しません。
でも、今までの経験上、日本のローカル試合では、ちょっとでも音が出るような接触があると優先権の移行があったと審判は判断します。
世界の大会では、アンリニューをしている人はあまり見ません。
筆者はアンリニューが得意なのですが、知識のある審判が少なく、リスクが大きかったので、試合ではあまり使用しませんでした。
ちなみにアンリニューのコツは相手のガード(つば)付近を狙うことです。
これは円の中心になりやすいからですね。
円の中心は速度がかなり遅いので。
下記ツイートを参考にするとわかりやすいかと思います。
#フェンシング
物理を勉強すると「アンリニュー」、「デガジ」が得意になります。v = rω
速度は、半径と角速度の積高校物理で習ったと思います
剣の動きは主に円運動です円の中心(半径rが0)近くを狙うと、どんなに剣さばきが速い相手でも楽に避けられます。
上式でr = 0にするとv = 0ですからね— たーみょん@子育てフェンサー(@ptarmyon) June 25, 2019
バットマンによる攻撃
相手の剣を叩いて行う攻撃のことをバットマンと言います。
自分がバットマンをする時、相手の剣先2/3のエリアにすると正しいアタックとなります。
もし、相手の剣の根本1/3のエリアにバットマンすると相手のパラードとなってしまいます。
これも、ちゃんと見てくれる審判は少ないです。
世界大会でも叩く場所をちゃんと見ずに
明らかに剣を叩いたと分かる方に権利を与えていることが多いです。
リポスト
リポストとは、相手の攻撃を剣でかわす(パラード)をしてから相手へ突きにいくことです。
ただし、迷いや躊躇(ちゅうちょ)で途切れてしまう場合は優先権を失ってしまいます。
すなわち、パラードしてから相手を突くまでの動作は、すぐに、滑らかにする必要があります。
リポストも残念ながら違う審判多いです。
特にフルーレの接近戦です。
相手の剣をパラードした後に接近状態となって、2~3回フェイント入れてから突く
ってパターンをよく見ますが、
審判はリポストって言ってます。
それに、何回フェイント入れても、パラードし返されるまで優先権を失っていない判定をするのも良く見ます。
フェイント2~3回は迷いまくってるので、リポストの権利はとっくになくなってます。
まとめ
フェンシングのフレーズにおいて、攻撃の重要なところは手を伸ばしてしなければならないということ。
ルールブックと審判の判定には若干の差があります。
そして、審判によっても差はあります。
審判のせいで負けた
と悲しい言い訳をしないで済むように、誤審されにくい戦い方を身に着けるべきです。
そのためには、しっかり考えた練習を沢山する必要があります。
がんばりましょう。
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