フェンシングルール【ベテラン指導者が詳しく説明】

フェンシングルール

フェンシングのルールってチンプンカンプンって人多いですよね。
現役の選手ですら、ルールを完璧に知っている人は皆無です。

そこで、全国2連覇のコーチである筆者(たーみょん)が
フェンシングの未経験者でもわかりやすい内容で
ルール解説いたします。

 

まず、フェンシングには

  • フルーレ
  • エペ
  • サーブル

の3種目があります。3種目とも共通のルールもあれば全く違ったルールもあります。

公式試合では

  • 男性
  • 女性
  • 個人
  • 団体

のそれぞれで3種目があるので、合計で12種目あります。

12種目もあると、試合を全て終えるまでの時間が長くなるので、

  • 団体は2種目しかしない
  • 個人の試合しかしない
  • フルーレしかしない

などなど、大会によって様々です。

フェンシングは国によって

escrime」(エスクリム)

と呼ばれることもあり、単純にフェンシングと言っても通じないことがあります。

以前ドイツに行ったときに、街中でfencingと書かれたジャージを着ていると

「フェンシングって何?」

って聞かれて困ったことがありました。

これから海外でフェンシングされる方は覚えておくと良いかと思います。

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フェンシングの歴史

 

 

フェンシング全種目共通のルール

まずは共通のルールです。

フェンシング専用コート(ピスト)、試合の流れ、違反、個人戦、団体戦に関するルール説明をいたします。

ピスト

試合は「ピスト」と呼ばれる導電性のコート上で行われます。

フェンシングコート(ピスト)

上記図の記号は下記の内容を意味しています。

  • G:選手の開始位置 (アンガルドライン)
  • D:警告領域
  • R:ランバック

上図ピストのDの領域は実際のピストでも色が変わっています。 選手が警告領域に来たことを認識するためです。 認識する以外の意味は特にありません。

Rの領域(ランバック)は、その領域に両足が入ると相手に点数が入ります。

良くある間違いは
Dの領域に足が入っていても足を浮かせてしまうとアウト
とすることです

実際は空中でもDの領域に足が入っていればOK !!

ただし、基本的に足というのは足の裏を基準にする審判が多いです。
なので、膝が空中で入っているから大丈夫ということはほぼないので、注意です。

足の裏が両方ともRの領域(空中含む)に入った時点で相手に点が入ります

 

ルールブックでは手だけでも空中でDの領域に残っていれば大丈夫!
でもそこまで厳密に判定する審判は皆無( ゚Д゚)

試合の流れ

試合開始時に選手は互いに有効面やガード(剣の持ち手付近)を突き合って簡単な検査を行います。
その後、上図Gのライン上に立ち、相手や審判に対して挨拶をします。

Rassemblez! Saluez!(ラッサンブレ、サリューェ)

気を付け! 礼!!
という意味で、フランス語です。
審判によっては「サリュー」しか言わない人もいます。

選手はガード(剣の持ち手付近)を口に近づけ、その後相手に剣先を向けるような動作をします。
投げキッスをするような雰囲気です。

ただ、多くの試合で、挨拶は結構雑に行われている場合が多いです。
下記動画は団体決勝戦です。決勝戦の前に選手紹介をするのですが、その時にもサリューをします。

ちなみに、日本の中高生の団体の試合では監督も紹介されるのですが、監督は剣を持たないので、お辞儀だけです。
なのに、筆者はあえて剣を持ち、サリューをしました。
会場中が大爆笑に、、、なりませんでした(笑)。失笑です(笑)。

 

選手は上図ピストのGのラインに立って、審判の

  • 「 En garde (アン ガルド)」 (構えて)
  • 「 Prêts?(プレ) 」(準備はいいですか?)
  • 「 Allez!(アレ) 」(開始!!)

で試合を開始します。

最初の「アンガルド」ですが、国によって若干言い方が異なってまして(主に英語とフランス語)、
それを色んな日本人がカタカナにしてるので、日本国内でも人によっては言い方が違ってます。

「アンギャ」
「オンガー」
「オンガード」

などなど。もちろん、色んな言い方があるのはアンガルドだけではないので、他チームと話をするときは違和感を感じることが多々あります。

 

最初の「プレ?」で準備ができていない場合は

Non.(ノン)」(いいえ)

と言えば良いです。

 

試合は審判の

Halte(アルト)」(止め)

の号令で都度中断します。

 

  • 有効面や無効面を突いたとき
  • ピストから出たとき
  • 相手と位置が交差して入れ替わったとき

などで中断します。

点数が入ると再度開始位置から試合を始めます。
点数が入らずに中断したときは、中断した位置から再開します。

勝敗が決まった後は再度サリューをして握手をする必要があります

サリューと握手は拒否すると違反(ブラックカード)で即退場(負け)となってしまいます。

 

ちなみに、
試合中ボディーコードが不調になり、交換することが良くあります。

この時にユニフォームを脱いではいけません
コードの端に新しいコードを結び付けて引っ張って交換します。
紳士、淑女の競技なので、観客の前でユニフォームを脱ぐのは、はしたないことだからです。

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フェンシング用語集

違反

何か違反があると、その対象者にイエローカードが出されます。
これは警告を意味しています。

イエローカードが2枚以上はレッドカードとなり、都度相手に1点与えられます。

違反の度合いがひどいと、ブラックカードが適用され、対象者は即刻退場です。

 

個人戦

個人の予選は主にリーグ戦5~7人程度で総当たりです。

フェンシングでは
プール戦
と呼んでいます。

トーナメントは
エリミナッションディレクト
と呼ばれています。

プール戦(リーグ)では1試合5点先取 の制限時間3分の試合です。

  • 勝率
  • 突いた数
  • 突かれた数

等で順位が決まります。

その順位をもとにエリミナッションディレクト(トーナメント)が行われます。

エリミナッションディレクト(トーナメント)では主に15点先取の試合です。
試合は3分×3セットで行われます。

最初の3分で勝敗が決まらなければ1分休憩後に3分試合、それでも決まらなければ、
更に1分休憩後に3分の試合です。

プール戦(リーグ)も一緒ですが、最後の3分で両選手ともに15点(プール戦は5点)取れなかった場合は点数を多くとっている方が勝ちです。

同点の場合は、審判機を用いてくじをし、アドバンテージを決めておきます。
そして、1分間の試合をします。
1分以内に1点取った方が勝ちです。
それでも決まらなかったときにアドバンテージのある選手が勝ちとなります。

団体戦

団体戦は3人対3人で戦います。(交代要員でもう1人ずついます。)

日本では

  • 紅白方式
  • 総当たり方式
  • リレー方式

の3種類あります。

世界大会の公式試合ではリレー方式が正式なものになっています。

紅白方式

一人1試合だけ行います。
なので、1回の団体戦で、行われる試合は3試合です。
人数は違いますが、剣道や柔道と同じです。

  • 選手A vs 選手D
  • 選手B vs 選手E
  • 選手C vs 選手F

最短でも2試合で勝敗が決まります。

総当たり方式

一人3試合行います。
なので、1回の団体戦で行われる試合は

3人×3試合=9試合

です。

一人が連続して戦うことはありません。

例えば、

  • 選手A vs 選手D
  • 選手B vs 選手E
  • 選手C vs 選手F
  • 選手A vs 選手E
  • 選手C vs 選手D
  • 選手B vs 選手F
  • ・・・

といった感じです。

あくまでもこういった感じというのを示しただけなので、正式な順番とは違っているかもしれません。

それぞれの選手の勝数で勝敗が決まります。
なので、最短では5試合で勝敗が決まります。

勝敗が決まるとそれで試合終了となる場合が多いです。

リレー方式

総当たり方式と同じ戦い方ですが、勝敗の決め方が違います。
名前の通り、点数をリレーしていきます。

例えば一番最初の試合が

選手A 5点 vs 選手D 3点

となったとします。するとつぎの選手は

選手B 5点 vs 選手E 3点

から試合を開始します。

 

2試合目の点数は最大10点までです。
時間制限は1試合3分間。

3分経つか決められた点数に達すると次の選手と交代です。

3試合目は15点、4試合目は20点・・・

と1試合ごとに最大の点数が5点ずつ増えていきます。

 

例えば

  • 選手A 5点 vs 選手D 3点
  • 選手B 10点 vs 選手E 9点
  • 選手C 12点 vs 選手F 13点
  • 選手A 14点 vs 選手E 13点
  • 選手C 25点 vs 選手D 22点
  • 選手B 29点 vs 選手F 30点
  • ・・・

といった感じです。

なので、45点取ったチームの勝ちで、

3分間の試合を9試合必ず行われます。

フルーレ

フルーレはフランス語の “fleur”(花)が語源となっています。

剣の先端はスイッチになっており、審判機により、有効面や無効面の突きを検出します。

有効面は下図の色を塗ってある部分です。

フルーレ有効面

得点は有効面を突いた方に入るが、両者ともについた場合は優先権(攻撃権)を持つ方に得点が入ります。

優先権(攻撃権)は、最初に攻撃を仕掛けた方が持ちます。
その優先権は、攻撃が完了するか、剣を叩かれた時点で相手に移ります。

このように、優先権(攻撃権)の移り変わりを
phrase d’armes(フレーズ ダルム)
と言います。

単にフレーズということが多いです。

フレーズを理解することは熟練の選手でも難しく、ましてや素人がフルーレの試合を見て理解できるわけがありません。

このことが日本のフェンシングの普及を阻害している原因でもあります。

ちなみに日本でのフェンシングの主流はフルーレで、高校の部活動ではフルーレを基本的に練習するところが多いです。

詳細はこちら↓

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フルーレ

エペ

フルーレと違い、フレーズ(優先権の移り変わり)がありません。
突いたもの勝ちという状態ですので、素人でもわかりやすい種目です。

もし、同時に突いた場合は両方に点数が入ります。

有効面は全身OKです。

エペ有効面

ちなみに近代五種の1競技ともなっています。
世界大会等の一般的な試合では5点、15点先取が主流ですが、近代五種では1点勝負の総当たり戦で競技するとのことです。

参考:東京2020

詳細はこちら↓

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サーブル

フルーレと同じくフレーズ(優先権の移り変わり)があります。

フルーレやエペと違って
「斬る」
動作も可能になります。
というよりも、斬る動作がメインです。

有効面は上半身です。

サーブル有効面

フルーレでは無効面を突いたときにも審判機は反応しますが、サーブルの場合は無効面を斬る、もしくは突いても審判機は反応しません。

そのため、3種目の中でも試合進行が最も早いです。

サーブル詳細はこちら↓

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