フェンシングのフルーレとは?意味やルールを解説【動画あり】

フルーレ

この記事は、

・フェンシングのフルーレとは?
・どんな競技なの?
・フルーレの武器防具って他種目とは違うの?

こんな疑問を持った人に向けて書いた記事です。

フルーレは花を意味しており、エペやサーブルよりも安全に練習するために生まれた種目です。

日本ではフルーレの競技人口が圧倒的に多いです。
クラブなどに所属すると最初に習うのがフルーレということもありますが、
フルーレの試合が圧倒的に多いということも原因です。

筆者は学生時代に中学校のフェンシング部コーチをして2年連続フルーレ団体優勝経験もあります。
また、教えていた選手たちが、インターハイやインカレ等でも優勝するなど指導者としての実績が数多くあります。

以上のことからコーチとしての実績があり、本記事の信憑性を高く持ってもらえると思っております。

フェンシングのフルーレとは?

フルーレ

フルーレとは、フェンシング競技の3つある種目のうちの一つで、フェンシングの練習用として生まれた種目です。

練習用ということもあり、エペとサーブルの間を取ったような種目です。
サーブルのようにフレーズ(攻撃の優先権)があり、
エペのように攻撃が突きのみ有効です。

剣はエペ剣よりも軽く、
有効面はエペやサーブルよりも狭く設定されています。
練習用の種目なので、危険性を軽減するため、頭は有効面ではありません。

また、かつては女性ができる唯一の種目でもありました(今では全種目できます)。

フルーレの意味

フェンシングの練習をするときには、怪我を防ぐために剣の先端に花を巻きつけていました
その花が名前の由来です(花を意味するフランス語はFleur:フルール)。
つまり、フルーレの語源は花ということです。

フルーレはフランス語で、英語ではfoilです。
意味はそのままホイルです。
花の他にホイル(アルミ等)を巻き付けることも有ったからです。

ちなみに、なぜか審判機の表示は主にfoilです。

フルーレの武器防具

フルーレ剣の先端はスイッチになっており、500g以上の力で突いたときに反応するようになっています。
剣の全長は110cmまで、重量は500gまでと定められております。
ユニフォーム上下とグローブは3種目とも共通です。
フルーレは有効面を検知するための導電性生地でできたメタルジャケットを着用する必要があります。

フェンシングマスク

マスクはビブ(首にあたる部分)の一部のみ導電性(電気が通る)になっており(上図)、有効面です。
ビブの有効面部分は着脱式のものもあり、フルーレとエペの両方をするものにとっては役立ちます。

マスクは有効面以外の部分が絶縁(電気が通らない)されている必要があります。
特に金網部分は剣がぶつかって絶縁の塗装が剥がれて徐々にマスクが銀色になってしまいます。
そのため、試合前にはマジックで色を塗って対処します。

試合での検査は色が剥げていないかだけを見るので、マジックの対応だけで大丈夫です。

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フルーレのルール

フルーレのルールで最も重要になるのはフレーズと呼ばれる優先権(攻撃権)です。

フルーレのフレーズ

フラーズ・ダルム(単にフレーズということが多い)とは、
「突きとかわしの一連の動作」のことです。

別の言い方をすると、フレーズとは、優先権(攻撃権)の移り変わりのことです。

詳細を見る↓

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フルーレの試合

両者共に突きをした時は優先権(攻撃権)のある方の突きに得点が入ります。
ただし、優先権のある方の突きが無効面の場合はどちらにも得点は入りません。

また、突いたのが片方の選手のみだった場合は優先権に関わらず突いた方の選手に得点が入ります。(ただし、有効面を突いている場合。)

両者が同じ動きをして同時に突き合った場合、同時得点はないので、無効となります。

この時審判は「シムルタネ リヤン」と言います(リヤンは言わないことが多い)。

シムルタネのとき片方が無効面(ノンパラ)でも関係なく、シムルタネです。

突きの有効面は図の色を付けたところです。

フルーレ有効面

マスクのビブ(首にあたる部分)の一部も有効面です。
有効面以外を突くと白色(or黄色)のランプが光り、試合は中断され、審判の合図で中断した場所から試合を再開します。

有効面を突くと色付き(赤か緑)のランプが光り、この時も試合は中断し、選手はアンガルドラインから試合を再開します。

ただし、相手の剣やピスト(導電性の試合用コート)を突いても審判機は反応せず、試合は途切れることなく続行されます。

両者同時に得点が入ることはありません。

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まとめ

フェンシングのフルーレとは、名前の由来が花で、練習用として始められた種目です。

また、フルーレにはフレーズ(攻撃の優先権)があり、理解するにはとても難しいが、
理解し始めるととても面白く奥が深いです。

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