タブレット学習で効果ない人の特徴4つ【効果2倍の研究結果も紹介】

・タブレット学習って効果なしでしょ?
・小学生の子供にタブレット学習の通信教育を選ぶか迷ってる。
・タブレット学習のデメリットって何?

と思っている方に向けて本記事を書きました。

本記事では、筆者たーみょん一人の意見ではなく、多くの人で検証した研究データをもとに効果を紹介しています。

残念ながら、タブレット学習をすると必ず効果が表れるものではありません。
もちろん効果なしってなる人もいます。

でも、メリット・デメリットを把握し、どう学習すべきかを理解すると効果は出るし、上手くやれば2倍以上の効果だって発揮するんです。

ちなみに、デメリットには、「目が悪くなる」とか、「ゲームやネットをしてしまい、集中できない」といった単純明快なことは書きませんでした。
実際にタブレットで勉強をした結果、学習面にどんなデメリットがあるのかの研究結果からの抽出です。

ということで、詳細を書いていきます↓。

タブレット学習の効果

タブレット学習には一体どんな効果があるのかを解説していきます。

白鷗大学の研究によると、タブレット学習では、写真を使った教材が効果的です。
また、やる気にも良い影響を与えます。

ベネッセ教育総合研究所によると、タブレット学習によって、学習量が増加し学習の質も向上します。結果、学力向上につながるということです。

紙とタブレットの比較

上記研究では、大学生60人に紙、PC、タブレットの3種類で学習をさせて、記憶テストやアンケート調査をもとに分析を行っています。

本記事では、PCは関係ないので、省くことにしますが、結果を簡単に説明すると、
紙では文章に関して優位性があり、タブレットでは写真に関して優位性あり。

また、タブレットの場合は、もう一度やってみたいって意見もあり、やる気につながりやすいという結果も出ています。

紙の特徴

  • 文章が思い出しやすい
  • 文章が読みやすい
  • 概要がわかりやすい
  • 疲れにくい
  • 学習した実感がある。

タブレットの特徴

  • 写真が思い出しやすい
  • 写真の色を思い出しやすい
  • もう一度やってみたい
  • 退屈しにくい

この結果は大学生を対象に行った結果ですが、小学生や中学生でも同様な結果になるのではないかと筆者は予想します。
少なくとも中学生はこの後説明する研究の対象で、上記特徴を一部証明しているので、小学生も(特に高学年)同様かなという考えです。

ベネッセ教育総合研究所の研究

岐阜市教育委員会・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト
岐阜市の中学校と共同で研究を行っており、約300人の生徒に1人1台ずつタブレット教材を渡して、学習を進めてもらいます。
日々の予習、復習、週末の宿題、夏休みの宿題など、課題や自主学習に活用しました。
※以下、図の引用元は全て上記リンク先から

研究の成果は下記の通りです。

タブレット学習の成果

  • 学習量の増加
  • 学力向上(特に中下位層)
  • 社会科と理科で効果大

研究対象者(中学生)の偏差値とその割合をグラフにしたものです↓。

タブレット学習前後の学力変化
タブレット学習前後の学力変化

学力が中下位層にかなり影響があるのがわかるかと思います。
学力上位層はグラフ上ではほとんど変わりませんが、タブレットを使ってしっかりと勉強したものほど学力維持、向上しているという結果です。

学力層別に、タブレット学習導入前後の学力の伸びを数値で見るとこんな感じ↓。

学力層別の学力の伸び
学力層別の学力の伸び

学力の上位から25%ずつ分けてA-D層と名付けてます。
学力上位層であるA層が若干ですが下げているけど、中下位層のC, D層が効果を発揮しています。

それで、学力上位層の成績が上がらない理由は、塾に通っていてタブレット学習する時間が少ないから、とのことです。

それでもタブレット学習を頑張れている子供は成績を維持、向上できているのですから、タブレット学習ができれば学力層に関わらず効果が発揮されるということが言えそうです。

教科別の効果

教科別の学力の伸び
教科別の学力の伸び

上記表では白鴎大学の研究結果を裏付ける結果が見られますね。
文章に関することは紙で学ぶ方が優位である、と言われてましたので、その通りに国語が若干下がっています。
それで、社会はちょっと良くわからないですが、タブレットは写真が優位という結果の通り写真が要となる理科の学力が向上という結果です。

タブレット学習のメリット、デメリット

上記ベネッセ教育総合研究所の研究の対象者に取ったアンケートで得られた良い意見と悪い意見は以下の通りです。

悪い意見

  • 紙に書かないと暗記できない。
  • 教科書やノートの方が頭に入る。
  • 間違えた問題がもう一度出たところで、同じだから意味ない。
  • 記述問題が少ない。
  • 数学は書くことが大事だと思う。
  • 勉強範囲が分かりにくい。

良い意見

  • 復習に便利(約8割が実感)
  • つまずきの学びなおしに便利(約8割が実感)
  • 予習に便利(7割強が実感)
  • 英語の音声が聞ける
  • 繰り返し学習がしやすい
  • やる気が起きる。
  • 楽しくできる。

上記は自由記述の内容もあって、少数意見も混ざっているのですが、学力上位層の生徒たちはタブレット学習に関して否定的な意見が多いとのことです。
その理由は、今までのやり方に満足しているから、とのこと。

これまでの内容でタブレット学習のメリットデメリットをまとめると以下の通りです。

デメリット

  • 文章問題は効果が薄い。
  • 学力上位層は効果を実感しにくい。
  • 書いて覚える派には向かない。
  • 記述問題が少ない(選択問題が多いから、完全な暗記ができない)。

メリット

  • 学習時間の増加。
  • 学力向上。
  • 写真を使った教材だと効果が発揮される。
  • 予習復習がしやすい。
  • やる気が出る。

タブレット学習に向いている子、向いていない子

タブレット学習のメリット、デメリットから、タブレット学習に向いている子、向いていない子を挙げるとするとこんな感じです↓。

向いていない子

  • 学力上位層の子
  • 文章問題に力を入れたい子
  • 書いて覚えたい子
  • すでに学習習慣が身に付いている子

向いている子

  • 学力が高くない子
  • 学習習慣が身に付いていない子
  • 勉強にやる気がない子
  • 文章問題以外に力を入れたい子

タブレット学習の効果を2倍にする科学的な方法

上記ベネッセ教育総合研究所の研究では、タブレットを生徒に渡して、後は自力でがんばってねぇ、というやり方ではありません。

タブレットを生徒に渡した後もいくつかのサポートをしています。
その内容をまとめると以下の通りです。

タブレット学習の効果を2倍にする方法
・学習環境を整えてあげること。
・親が成果のフィードバックをすること
・子供自身でも成果のフィードバックをすること

学習環境を整える

タブレット学習に限らずですが、勉強しやすい環境を子供に用意してあげることは大切ですよね。

で、まずはタブレットを渡した時点でちょっとプラスになります。
でも、やっぱりそれだけじゃ足りなくて、子供と一緒に勉強する時間を決めることが大切。

たとえば、学校から帰ってきたらおやつを食べて、その後10分でいいから勉強をする、って感じで決めておくと良いです。

勉強時間が増大した例

ベネッセ教育総合研究所のでは、先生が生徒に毎日の朝学習の10分間にタブレット学習を勧めると、多くの生徒が確実に取り組むようになりました。
それだけでなく、全く勧めていない昼休みや放課後の時間帯のタブレット学習もするようになったんです。

次に数学の先生が、週末課題として授業の復習を、休日の間にタブレットでするよう提案をしました。
すると、数学の学習時間は約3倍、その他の教科も約2倍に学習量が増えています↓。

学習提案前後の学習量の変化
学習提案前後の学習量の変化

ということで、子供には勉強するきっかけとして、勉強する時間を親子で話し合って決めたり、何をどれだけ勉強するか決めたりすると、全体で2倍以上の学習量増加が期待できます

親子共にフィードバック

人は、小さくても良いから成果を実感できるとその後のやる気に大きく影響を受けます。
なので、その成果を実感するために、親も子も子供の頑張った内容を把握しましょう。

このことは下記記事でも述べているので、あわせてご確認ください。
関連記事:>>子供が勉強をしない対策【科学的なやる気UP方法】

フィードバック例

ベネッセ教育総合研究所の研究に関して、下図の12/4のところで、英語教員が生徒のタブレット学習の取り組み状況に応じて、生徒に対して声掛けをするようにしました。すると、生徒の学習量がそれまでよりも多くなっています。

学習フィードバック実施前後の学習量変化
学習フィードバック実施前後の学習量変化

声掛けの内容は、「Aさんは粘り強く取り組んでいるね」や「Bさんは正解するまで繰り返し解きなおしているね」など、生徒の取り組み状況をしっかりと把握したうえで、具体的な褒め方をしています。

この取り組みをしてからの2週間(12/4-12/18)では英語のレッスン数が約3,000、取組前の10/30-11/13の2週間では約1,500となっており、フィードバック前後で約2倍の学習量アップです。

生徒の学習への取り組み状況は先生だけでなく、生徒自身にも出来る様になっていて、頑張った成果が目に見える様にまとめられています。

生徒向けフィードバック
生徒向けフィードバック

下図の横軸はフィードバックを実施する前の学力(偏差値)、縦軸はフィードバックを実施するようになった後の学力(偏差値)です。
斜めにひかれた中央の実線よりも上に書かれている点が多いことから、フィードバックにより、多くの生徒が学力もアップしたと言えます。

フィードバック前後の学力変化
フィードバック前後の学力変化

ということで、親は子供の頑張りをほめ子供は自分の頑張りを実感するとその後の学習量が増え、それに付随して学力もアップするということがわかりました。

タブレット教材を選ぶポイント

これまでの内容から、タブレット教材を選ぶポイントをまとめると以下の通りです。

タブレット教材を選ぶポイント

  • 写真を活用している。
  • 親が子供の学習成果を把握できる。
  • 子供も自分の学習成果を把握できる。
  • 繰り返し学習ができる。
  • 繰り返しの際に問題が変わる。

ちなみに、以下は筆者の個人的な意見です。

  • 動画、音声を活用している。
  • ゲームに時間制限がある。

紙では出来ない動画や音声を使った勉強をしないと、タブレットの機能を十分に発揮できないですからね。紹介した研究にこの辺があまり書かれてないかったのが、個人的にはもったいない気がしてます。

以上のポイントが全て網羅されてなかったとしても、親がある程度サポートしてあげられるのであれば大丈夫です。

たとえば、子供の苦手な問題に関して、親が類題を出してあげるって感じですね。

関連記事:>> タブレット学習教材の幼児向け5選

まとめ【タブレット学習に効果ない人の特徴】

以上の内容をまとめて、タブレット学習に効果がない人の特徴を挙げると以下の通りです。

  1. 文章問題が苦手
  2. 既に学力上位
  3. 書いて覚える派
  4. 記述式が苦手

また、タブレット学習を実際に進めることになった時には以下のことを重視しながら学習することをおすすめします。
タブレット学習の効果を2倍にする方法

  • 学習環境を整えてあげること。
  • 親が成果のフィードバックをすること
  • 子供自身でも成果のフィードバックをすること
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